難聴者を支援する立場の苦悩

今痛感しているのは、身近に聴覚障害を持っている人をありのまま受けとめるということが支援技術の初歩として言われるが非常に難しいということだ。
それまでの生い立ちや家庭環境、現在までの教育歴、職歴などを知る必要があっても、それを話してもらうだけの信頼関係を築くのに時間がかかる。

支援にあたる人が聴覚障害を持っている場合は二重の困難を伴うのでなおさら難しい。自分自身がどれだけ障害の影響を受けているかを把握出来ていないからだ。それに自分自身が適切なケアを受ける必要があるが、そうした支援はなかなか受けられない。

自分と向き合っている難聴者の心の揺れや悩みは理解できても、それを解決するには聴覚医学、社会福祉論、心理学、ソーシャルワークなどを身につけ、実際の相談支援の経験を重ねないとはできない。

成人の難聴者のカウンセリングや相談支援に難聴者の専門家がいない理由ではないか。
難聴児童の場合の対応は教育的観点から教師や親が関わる。難聴児だった教師や親が関わるのは難しい。


ラビット 記