法律専門雑誌の「障害者雇用」特集と難聴者

聴覚障害は目に見えない。難聴者や中途失聴者の雇用に置ける差別は、本人が差別されていることが分からないこともある。普段、同僚が何気なく話していることが聞こえないし、話していることも気づかないことがある。同僚も、普段の会話や配慮がまさか「差別」になるという意識はないだろう。

職場の会議で、同僚や上司が筆記してくれたら、嬉しい反面、会議に加われないので、迷惑をかけているという心理が働く。「会社の経営が厳しいので通訳を毎回依頼する予算がない、私が書いてあげるから」と言われれば若い社員ほど、「でも会議の内容をきちんと把握して意見も言えるためには通訳が必要です」とは言えない。会社は配慮してあげているという意識を持っているからだ。これも間接的な差別になるだろう。

ラビット 記

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EU労働法政策雑記帳」の「障害者雇用ブーム」より
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-bf3e.html
著者については
http://homepage3.nifty.com/hamachan/
最近の発言は
http://homepage3.nifty.com/hamachan/nhkmakeworkpay.html

ここのところ、障害者雇用がちょっとしたブームのようです。『法律時報』4月号が障害者権利条約を特集していたかとおもうと、
http://www.nippyo.co.jp/magazine/5015.html

■特集=障害者権利条約と日本の課題
障害者権利条約の概要——実体規定を中心に/川島 聡
障害者権利条約における差別禁止と差別の三類型/東 俊裕
障害者権利条約と労働/松井亮輔
障害者権利条約と教育——障害者主体のインクルーシブ教育と盲・ろう・盲ろう教育/長瀬 修
障害者権利条約と自立生活/藤井克徳
障害者権利条約と実施措置/山崎公士
〈資料〉障害者の権利に関する条約〔日本政府仮訳文〕

労働法律旬報』5月下旬号が「障害者の権利条約と障害者雇用」という特集。
http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/536?osCsid=71be8647970d4ea3fba71667342bc262

〈特集〉障害者の権利条約と障害者雇用
 *障害者権利条約とわが国の障害者の一般雇用施策関係法の問題点と課題[山田耕造]—6
 *ドイツの障害者雇用の現状と検討課題—日本法への示唆[小西啓文]—22
 *アメリカの障害者雇用[永野秀雄]—32
 *EU均等法と障害のある人・家族・支援者の雇用—英国コールマン事件を契機とする均等待遇保障の新展開[引馬知子]—43
 *裁判に見る日本の障害者雇用の現状[清水建夫]—53

そして、来週初めに発行される『季刊労働法』も、障害者雇用特集です。

特集 障害者雇用の方向性を考える
障害者雇用の現状と法制度 田口晶子
障害者雇用の法理 山田省三
障害者雇用の今後のあり方をめぐって 松井亮輔
差別禁止法における「障害」(disability)の定義 長谷川珠子
イギリス障害者差別禁止法の差別概念の特徴 長谷川 聡
フランスの障害者雇用政策 永野仁美
日本における障害者雇用にかかる裁判例の検討 小西啓文 他

これだけまとめて読むと、大変勉強になると思います。