地デジ移行の懸念すべき点と放送アクセシビリティ

地上デジタル放送の移行(アナログ波停止)まであと2年間。その移行までには多くの課題がある。

民放連の広瀬会長が、地デジ移行の進捗状況に付いて、記者会見で3つの問題点をあげていた。
?都市部の集合住宅の受信対策
?地デジ対応受信機の普及に関する地域間格差
?経済的弱者への対策の遅れ

障害者放送協議会や各団体は、経済的弱者のみならず、情報弱者への対応を求めて来たが、総務省の動きは鈍い。総務省テレビ受信者サポートセンター(デジサポ)は社団法人デジタル放送推進協会DPAが実施しているが、聴覚障害者向けと視覚障害者向けページが本日7月24日開設された。地デジ移行までのちょうど後2年間を残す日に合わせたのだろうか。
http://www.digisuppo.jp/
http://www.digisuppo.jp/local/deaf/touch/index.html

経済的弱者に給付するという簡易チューナーの製品化もまだということだが、視聴覚障害者向けの受信機も必要だ。聴覚障害者向けは、アイドラゴンの地デジ対応機種が開発されているようだが、厚生労働省身体障害者手帳を持つ聴覚障害者には給付を予算化している。
視覚障害者向けには、英国のような地上デジタル放送にアクセスしやすくするアダプターの開発と給付が必要だろう。これは聴覚障害者にも番組選択や録画予約など操作しやすくなっている。
(参考)
「英国のデジタル放送受信機の開発について(ビデオ・プレゼンテーション)
リチャード・オーム氏(英国盲人協会(RNIB)アクセシビリティ部長)」
http://www.normanet.ne.jp/~housou/0315/


ラビット

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会長会見/2009-07-16-広瀬会長会見

【日 時】 平成21年7月16日(木) 午後3時15分〜3時55分
【場 所】 グランドプリンスホテル赤坂
1.地上テレビ放送デジタル化の進捗状況について †
* 記者:アナログ停波まで残り2年となったが、現時点の意気込みをお聞
きしたい。
* 広瀬会長:日本の場合、テレビ放送のデジタル化はほぼ計画どおりうま
く進んでいると思う。米国でのアナログ停波直前にFCCの調査団が来日した際
に、“日本のデジタル化計画は、国民の認知度や各種対策など、あらゆる面で米
国より進んでいる”との感想を述べていた。
あえて懸念される点をあげるとすれば、?都市部の集合住宅の受信対策、?地デ
ジ対応受信機の普及に関する地域間格差、?経済的弱者への対策の遅れなどであ
ろう。
?は特に関東広域圏において、UHFアンテナを設置していない集合住宅が相当
数あることから、その対策が喫緊の課題である。
?については、沖縄、岩手、長崎などの普及率が低いが、沖縄の場合は佐藤総務
大臣が現地を訪れ、在沖縄のテレビ社と意見交換をして、原因究明を行い、対策
を練っている。
? については、個人情報を正確に集められるか、また、これを漏えいさせない
ような仕組み作りや簡易チューナーの製品化など、解決すべき課題がある。
全国的にデジタル化が遅れる地域のないよう、できることはやっていきたい。
http://nab.or.jp/index.php?cmd=read&page=%B2%F1%C4%B9%B2%F1%B8%AB%2F2009-07-16-%B9%AD%C0%A5%B2%F1%C4%B9%B2%F1%B8%AB