人工内耳と補聴器のバランスと聞こえ(3)

人工内耳を装用すると新しい聴覚に脳が順応しようとして、シナプスを発達させる。
音声言語の言葉を記憶している大人の場合、人工内耳の聞こえはそれまで持っている言葉の記憶と新しい聴覚は一致しないのでノイズとなる。

補聴器と人工内耳に入る言葉や音は信号としては同じだが脳に届けられる信号が異なる。
補聴器側は補聴器と内耳の二重のフィルターを通して脳に届く。
人工内耳側は内耳を通さず人工内耳のフィルターで届く。
だから同じ「今日は晴れたね」と聞いても、違って聞こえる。
補聴器側は「昭和枯れたね」と聞こえたかも知れない。
人工内耳は「チッチギジジッチヂ」と聞こえるかも知れない。

今日は晴れたねと聞こえるためには、既知の言葉を繰り返し聞く必要がある。
「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました」と誰もが知っている昔話を聞くと、その音オンが向かし聞こえたオンとして記憶されやすい。
本の音読は成人の人工内耳リハビリテーションに効果があるとドナソーキンさんも強調されていた。


人工内耳を装用している時、ポジティブ・シンキングをすることが重要だ。


(続く)
ラビット 記