昔の同僚と語ったことがしみじみと。

入社以来の同僚に会ったので立ち話をしてきた。
髪の毛が総白髪になっていた。どうしたのかと聞くと前から染めていたが、定年近い年になって面倒になったし、もうそれなりでいいやと思ったから止めたのだという。
補聴器のコードを髪で隠すのを止めたのと似ている。
「いや、シルバーグレーでなかなか格好いいよ。」

定年後に備えたライフプランセミナーに行ってきて、そういう歳になったと思ったとか、親父とその親が80幾つで亡くなっているから自分も家系的に80代初めまでの寿命だから、何をやっていけばいいか分からない。
「定年後後25、6年もあるじゃん。」

やっぱり好きなゴルフはずっとやりたいと言う。
「それはいいね。青木みたいに長くやっていきなよ。」

後は何が良いか考えているんだけれど。
「今は、地域がキーワードだよ。こっちは団地住まいだからコミュニティがないけどそっちは地域のつながりがあるじゃん。うらやましいよ。」

おっ、側を通る車の音がうるさかったが言っていることが分かるゾ。
30年来の同僚だから、難聴で聞きにくいことも知っていて、聞こえないと繰り返してくれる。

(子どものことは心配だね、お互いに。そっちほどべったりじゃないよ。羽田空港までは送らないよいくら何でも。)

話が聞こえると会話が出来る。会話というのは話が噛み合ったやりとりだ。
これは難聴者には難しい。補聴器で聞き取りが悪くなって5年ほどになるが話しかけても返事が噛み合わないと同僚でも話さないようになる。

人工内耳をして、何か言われても前よりは聞き取れると思っているので、今日は家族は皆元気ですかと聞くと、一瞬話をするのをためらっていた様子だったが返事を返していくと自分から新しい話題を話してくれた。

そうかあ、人工内耳で自分から会話に持ち込む積極性が生まれたんだ、勇気が湧いてきているということか。
2年前の手術の日までもうすぐだ。


ラビット 記