夏の終わりの蝉 難聴者の就労 

出勤時駅に着いたら目の前で蝉が止まった。

出勤時は、今日は上司とコミュニケーションがうまく行くかどうか考えるといつも気分がブルーになる。

だいたい仕事が完了したことを報告しても評価されたことがない。
自分の間違った思いこみだったと気づいてもまず謝らない。絶対に。

人と共同作業する際に、コミュニケーションやアサーティブネスは必須のスキルだ。
作業の分担内容を確認して、その内容が自分の仕事にも不可欠なら最高の効果が上がるようにうまくやってもらわなくてはならない。

難聴者は人と「うまくやる」ことが苦手だ。それは「うまくやる」ためにはコミュニケーションが必要で音声の会話で行われることが普通だからだ。
聞こえないと声の調子、強弱、テンポ、抑揚などに意味が込められているがそれがつかめないのでどうしても会話が途切れるか平板になる。

これが難聴者に「職場の会話が成立しにくい」という「活動」(国際生活機能分類ICF)にあたる。

蝉はシャッターの音でPHSにぶつかって飛んでいった。


ラビット 記