新しい人工内耳N5のインプレッション(5)

職場の派遣さんとこういう会話があった。
「これ聞いてる?」
「知らない。」
「あの箱の伝票が半分くらいになったらこれを書いてファックスして」
「分かりました。」

文字で書くとそっけないが、「知らない」が「ううん、知らないわ。何なの?」という意味に聞こえる。
「分かりました。」が「分かったわ。大丈夫よ。任しといてね。」という意味に聞こえる。
これはその言葉の持つ音韻、抑揚、モーラがそういう意味を伝えているから。

清掃のおばさんとの会話が
「あの水は電気ポッドに入れてもいいの?」
と語りかけられたのが1回でよく聞こえた。
「うん、いいよ」
とふつうに返事できたのがなんだか嬉しかった。

自転車に乗りながら発する自分の声が良く聞こえる。
ADRO+ZOOMの音量13、感度5。
しかし、事務所の中では音がこもって聞こえる。
コントローラーで見ると、マイクの音量がしばしば赤いレベルに入っている。
音量5、感度4に下げた。

このへん、児童や高齢者にはどう対応するのか、分かりやすく説明しないと我慢しながら聴くということになって、補聴器をプレゼントされた高齢者が頭が響くといって装用を止めてしまうようなことにならないか。

誰がこうした説明、装用のサポートをするのか。人工内耳を装用したものが積極的に発信するか、人工内耳装用の言語聴覚士が必要だろうか。

ラビット 記