人工内耳で聞きたいこと。

一昨日、マッピングをして考えたこと。
(1)マッピングは積極的に関わらないと何も変わらない。
STと聞こえの確認のために雑談していて、ではマッピングをしましょうと言ったら、これだけ聞こえているのにと言われたのは驚いた。
ここでそうですかと引き下がればそのまま。しかし、前回から1ヶ月経ったので各電極のC値も変化しているはずと言ってやってみた。
新しいマップは全く違って聞こえるがこれも希望しなければ体験出来なかった。

(2)基本的な知識は自分で習得する。
人工内耳の原理、機種の機能、コントローラーの使い方は頭に叩き込んでおかないとSTの説明が分からないし、的確な質問も出来ない。

人工内耳の自動環境調整機能はメーカーが最大限の力を傾注していて各社の特徴がある。
空調を切ったらSTの声が変わって聞こえるのは自動環境調整機能が働いていたからで、そのことをSTに説明したら初めて分かったと言うが・・・

(3)聞こえることは脳を刺激する。
今まで、聞き取りが不十分な音声を文字や手話で聞いて来たが、直接言葉が脳に届くと理解も脳の働き方もかなり異なる。
話を聞きながら、他の入力チャネルから情報を受けられる。例えば講演を聞きながら資料を読んで理解出来る。聴覚を利用しながら視覚で別の情報をインプットしているのだ。
脳は聞きながら多くのことを同時に考え処理している。
難聴者はもっともっと聞かなければならない。

(4)音声日本語へのアクセスは権利であること。
難聴者が聞こえの問題をもっと探求して、課題や到達点を整理しないといけない。
ろう者が手話の問題を言語学や教育、精神保健の分野で発展させたように、難聴者は聴覚補償を聴覚医学、情報保障論、コミュニケーション論、障害者福祉制度、情報保障機器開発、エンパワメント手法の開発まで、音声日本語のアクセスを便宜の問題から権利の問題に昇華しなければならない。

ラビット 記
通勤中に記す。