中途失聴・難聴者のコミュニケーション(2)

この整理は、障害を階層性で、理解しようとしたのだが、これは1980年に国際保健機構WHOが発表した国際障害分類(ICIDH)だ。つまり、障害は「機能障害(インペアメント)」→「能力障害(ディスアビリティ)」→社会参加の不利(ハンディキャップ)」の3次元の階層を持っているというものだ。これは、国1981年の際障害者年の「完全参加と平等」のスローガンとノーマライゼーションの理念とともに普及した。
中途失聴・難聴の障害の階層性をこれに当てはめることができる。しかし、そうした試みはあるのだろうがあまり発表されていないようだ。
機能障害 鼓膜に穴が開いている、耳管閉塞、鐙骨砧骨など伝導系の異常、聴神経が薬物、ストレス、刺激物その他の原因で劣化している、三半規管の異常など。
能力障害 1対1の会話、数人での会話、社会各層の会議に加われない、電話の通信が出来ないなどコミュニケーションが出来ないこと。自然環境音、生活環境音が聞こえない、テレビやラジオの放送などが聞こえない、音楽が聞こえない、感情面での人間的発達が十分出来ないこと。
社会参加の不利 地域、職場、学校、家族その他の社会単位の一員となれないこと。教育、医療、介護、自治などのサービスが受けられないこと。購買活動などができないこと。
さらに、詳細な例を加えて見る必要がある。

しかし、これは「社会環境の影響」が考え方にはあったが、図に記載されていないために、医学モデルとか相互関連がないとか批判された。
これを改善したのが、2000年に出された国際生活機能分類ICF)だ。障害というより、人間の生活機能全体を三つの次元に分け、つまり心身機能・身体構造と・活動、参加の相互作用があり、それぞれに健康状態、環境因子、個人因子が影響するとしている。

続く

ラビット 記