なぜ、コミュニケーション支援事業の有料化が狙われるか


秋の枯れ葉東京都の昭島市では、コミュニケーション支援事業を他の障害者サービスとともに条例で有料化した。

市の障害者福祉の担当部長は聴覚障害者団体が何度交渉しても、「他の障害者との公平のため」として頑迷な態度を取り続けている。

条例で決定されているので、これを再審議に持ち込むには相当の理由が必要だ。
コミュニケーション支援が双方に「利益」があるから聴覚障害者のみが負担するのはおかしいとか、生活のあらゆる活動に必要だと説明しても、他の一部の障害者から、自分たちが負担しているのになぜ無料を要求するのかという声もあるくらい、もっと説得力のある説明が必要だ。

個別給付の自立支援等は支援費制度で行政の措置から契約に、つまり利用者とサービス提供事業者との契約になった。コミュニケーション支援事業は社会参加促進事業で「契約」になっていない。行政サービスで無料とされてきた。
ところが、移動支援は支援費制度では個別支援の契約事業だが、自立支援法では地域生活支援事業になった。ここで、地域生活支援事業に法律で有料にされた契約の事業が入ってきた。
そこで、行政はわざと「間違って」違う制度のサービスを有料化を持ち出した。
何故か。財政負担を抑えるためしかない。コミュニケーション支援事業の予算はどこも他の障害者支援事業に比べれば多くはないのに、何故有料化するのか。コミュニケーション支援事業が無料であれば他の障害者から無料化を求められる。実際に東京の区部の視覚障害者団体からはガイドヘルパーを手話通訳事業同様に無料にしてほしいと要求が出ているそうだ。

行政としてはこの動きを抑えるためには何が何でも無料化を認めたくないわけだ。逆に障害者側は権利として、無料化を求める理由にしたい。
行政は法的根拠は明確なものがないので、他の障害者との公平さを言うしかない。
格差是正を言うなら健聴者との格差をなくしたり、所得保障が先だろうに。

10月31日の1万5千人の参加者が終日、国会や厚生労働省を包囲したことがマスコミでも多く取り上げられ、国会の質疑にもそれが反映している。
あくまでも、コミュニケーション支援は「権利」として打ち出さないと障害者同士の比較になり、負けてしまう。

ラビット 記