難聴者の職場就労の実情(後編) さあ,聞こえないどうする?自分一人だ


ウィルコムのPHS(続き)
職場の電話の電話機には難聴者用拡声装置(アンプ)が付いているが、相手の声が割れたりして良く聞こえない。相手が携帯電話だと完全にアウト。
しかし、長年使っている個人のPHSで電話すると良く聞こえる。補聴器がTコイル対応でないデジタル補聴器なので、PHSの受話部を補聴器のマイクに直接あてて聞くと、補聴器で目の前の人と補聴器で話を聞くよりもはっきり聞こえる。
ウィルコムWX310K
http://www.willcom-inc.com/ja/lineup/wx/310k/index.html

何で、電話回線を通じた電話よりPHSの方が良く聞こえるのかわからないが、とにかく言葉はハキハキと明瞭に聞こえる。
PHSの電話代が心配だが、今はそんなことにかまっていられない。

そうこうしているうちに、前から予定していた課の会議の時間になる。派遣を依頼した要約筆記者も待機している。混乱を極めた1日の仕事の流れを急いでまとめた資料を配布し、説明する。普段は何も意見も質問もなく終わるが、今日は私からこれで良いかと聞くと皆から質問が二の矢,三の矢と飛んでくる。
要約筆記者も急いでペンを走らせる。ノートに書いている手の動きに皆が注目しているのが分かる。目をノートに走らせて、対応を説明する。
皆はたまっている仕事の最中なので早く終わって仕事に戻りたがっているし、終わった人は帰り時間を気にしている。こういう時にテキパキと対応しなくてはならない。
あれもこれも私の対応が後手後手に回っていて,失笑も漏れる。しかし,聞こえなくてトンチンカンな返事に対する失笑ではない。返事が遅れても的確に対応できるの要約筆記は私にとって心強い存在だ。

皆が帰った後、明日の仕事がうまく運ぶように,オペレーションを再度組み直し,各部門,支店に連絡書を書いてメールし,時計を見ると午前零時だ。早く帰宅しよう。
嵐のような1日が過ぎた。明日は,早朝から自動車の免許の更新だ。要約筆記者との待ち合わせの時間も早い。

ラビット 記