難聴遺伝子検査の同意書 医療倫理との絡み

岡山大学医学部耳鼻咽喉科教室の遺伝性難聴ホームページに、遺伝子検査に協力を求める説明と同意書の案が掲載されている。
このホームページには、厚生労働省の遺伝子研究に関わる倫理問題のガイドラインも紹介されている。
難聴者にとって、その治療は願望であるが、難聴に関わる遺伝子の存在の有無、治療、予防のためにその遺伝子を操作するということについては、慎重に考えなければならない。
難聴になりやすい遺伝子があったとして、染色体からその遺伝子を取りのぞいたり、その遺伝子が発現しないように精子卵子を選別するのだろうか。
2001年5月14日に更新されたままだが、その後どこまで研究が進展しているのか公開して欲しい。

京都大学の伊藤壽一教授らは、内耳の有毛細胞の再生を促進させるたんぱく質を活性化させる、あるいは再生を妨げているたんぱく質の機能を抑制するために、遺伝子治療を行う可能性があると、最近出版された本※の中で紹介している。内耳再生に関する公開シンポジウムも行われている。
これは、たんぱく質の機能を変えるための遺伝子操作のようで、岡山大学の難聴に関する遺伝子治療のアプローチとは違うと思うが専門的にはどうか良く分からない。

いろいろと医学が発達する過程で、治療を受ける難聴者側の倫理に対する考え方も求められるのだろう。

※「難聴Q&A―発達期から老年まで600万人が悩む シリーズ・暮らしの科学 (25)(伊藤壽一先生・中川隆之先生共著」
http://star.endless.ne.jp/users/kagari/genomu/report/index.html

ラビット 記