手話ニュースの理解 要約筆記の文字

HOHrabit2007-03-19


手話ニュースは、手話でニュースが報道されるところに意味がある。
ろう者の言語、母語である手話で概念が伝えられる。ろう者は聞こえる人が音声で聞くのと同じように「聞く」のだ。
ニュース原稿は記者が取材したことを伝えるために日本語で書いてある。その日本語の原稿を読んだろう者のキャスターは放送局、この場合はNHKだが、の報道のスタンスを踏まえて、そのニュースの意味、報道価値が何なのかを判断して、手話で伝えている。ディレクターやデスク、他のキャスターと協議しているかもしれないが、どういう言葉で(手話表現)するかは、最終的にキャスターに委ねられている。


要約筆記者は、音声や手話のように「聞く」ことができるように、話し言葉を理解しやすい文章にしている。
相手に理解できる文章にして伝えるためには、いったん要約筆記者が理解しなければならない。
その理解を元に、相手にすぐに理解できる文章を書けるかどうかは、要約筆記者の言語体験、言語能力によるところが大きい。
手話ニュースの原稿の内容を伝えられるかは手話ニュースキャスターの日本語能力、手話言語の力に負うところに大きいのと同じだ。


話し手の言葉をすぐに読み手に負担のない文字で伝えることを要約筆記者の通訳行為と言っているのは、相手に伝えるために話し言葉をそのまま文字化しないという意味だ。

ラビット 記