2005-01-01から1年間の記事一覧

障害者自立支援法と聴覚障害者施策

10月31日、衆議院で多くの障害者の反対の声の中、「障害者自立支援法」が成立した。支援法が真に障害者の「自立支援」のものする運動第二ステージが始まったとも言える。 実際、グランドデザイン案が出された時から、中途失聴・難聴者施策の向上の機会になる…

障害者施設の収益事業

障害者施設の社会福祉法人と言えども支援費制度から障害者自立支援法になると、さらに経費が細かく制限されるようになり、障害者の自己負担が増える このため理事を務める社会福祉法人でもさまざまな収益事業を検討している これまで続けてきた清掃事業は周…

イギリスのユニークな補聴器

イギリスのビクトリア・アンド・アルバート博物館では、2006年3月5日まで「ヒアウェアー聴くことの未来」展が開催されている。 ピンクの花柄にデザインされた補聴器、騒音を一瞬にして消す補聴器、聞き漏らした声を再生する補聴器、音のする方向の音を捕らえ…

難聴者のテレビの補聴方法

テレビを聞くために、サブウーファー付きのスピーカーシステム(写真右)を接続して聞いている。ニュース系か音楽系かでサラウンドをオンにしたり、オフにしたりし て、音響効果を変えている。テレビの手前においてあるので、それだけ音源に近くなって、身体…

ネット選挙と聴覚障害者

新聞報道によれば、自民党が選挙活動にメールやブログ、ホームページの利用を認めるらしい 先の総選挙でネット世代の風向きがこれまでと違って、自民党に有利になったからという党利党略そのものの理由だが、選挙から遠ざけられていた聴覚障害者の参政権の保…

なぜ退社されるのかはわからないまま

昨日で長く働いてきた女性が退社された。 昨年の春、急に耳が聞こえなくなってしまったとメールがあり、全難聴が発行した小冊子「耳のことで悩まないで」を渡してすぐに病院に行くように勧めたことのある人だ。 私は、日頃から社内でも人間関係が希薄なので…

放送バリアフリーシンポジウムその4

字幕放送普及行政の指針は、今後どうするのか 全ての障害者を対象とした放送アクセスの指針に替えること、及び字幕放送については放送法に盛り込んで義務化することを求めたい アメリカや英国、オーストラリアなどでは類似の法律で放送事業者の義務になって…

放送バリアフリーシンポジウムその3

2007年に字幕放送普及の行政の指針が目標としていた年を迎える この目標は字幕放送の普及に大きな役割を果たしたが対象番組から技術的制約があったとは言え生放送を除いたり、教育テレビや衛星放送はできるだけ多く字幕を付加すると数値目標が設定されていな…

放送バリアフリーシンポジウムその2

シンポジウムでは、総務省、NHK、テレビ朝日、CS障害者放送統一機構、視覚障害者情報提供施設協議会、聴覚障害者情報提供施設協議会がパネリストとして参加した 行政と放送事業者、障害者情報支援事業者が発言したが、ここ数年総務省と放送事業者にまとまっ…

放送バリアフリーシンポジウム

29日、学士会館で放送バリアフリーシンポジウムがあったこれまで聴覚障害者を対象にしたシンポジウムが1991年から開催されてきたが今年初めて視覚障害者と一緒に開催された これは視覚障害者の9割を越える多くがテレビを視聴しているのに、視覚障害者に対す…

自立支援法と施設経営

ろう重複障害児者は長い間福祉の谷間におかれ、これまで自立支援が行われてこなかった 各地で当事者の家族や聴覚障害者団体の運動で施設が出来てきた そうした施設も支援費制度で陽が当たるかと思われたが、いろいろなサービス低下に繋がる問題が起きている …

筑波技術大学の開学

10月13日、視聴覚障害者だけが学ぶ筑波技術大学開学式が行われた

参議院厚生労働委員会の可決は

昨日、参議院厚生労働委員会は、障害者自立支援法を可決した。 一番の問題点となった応益負担が障害者の収入を越える負担や2万5千円だけで生活しなければならない問題に、所得による負担の制限を設けたと言うだけで、障害者福祉サービスに負担を求める本質的…

中途失聴・難聴の手話

中途失聴・難聴者にとって、自分のコミュニケーションの広がりを感じるのは初めて要約筆記を見た時、磁気ループで声がはっきり聞こえた時、そして覚えたばかりの手話で会話ができた時だ それまで聞こえない、わからないとあきらめていた講演、会話が分かるの…

耳マークの意味

10/3の朝日新聞の天声人語に、耳マークが聞こえない人への配慮を示すシンボルマークとして、紹介された。 耳マークには二つの意義がある。聴覚障害は外見からは分からないコミュニケーションの障害であり、それも中途失聴・難聴者はみずから聞こえないことを…

中途失聴・難聴者の地域生活

障害者が地域社会で普通に暮らすことを支援する、地域生活支援事業が注目されている。 聴覚障害者、中途失聴・難聴者には地域生活といっても馴染みが薄い。 地域に理解が少ないことから、またコミュニケーションの障害であり、みずから地域との関わりを避け…

ここにも聴覚障害者のお店が

東京駅の八重州口にあった聴覚障害者のお店が有楽町にもあった。国際フォーラムのある改札口を出たところだ。 耳の聞こえないというところが手で線が引かれていたので、知らないでしゃべって注文しようとしたお客が相次いだのかと見ていた。このお店の最初の…

人工内耳入門講座

9月25日に、東京都中途失聴・難聴者協会の人工内耳入門講座が中野サンプラザで開催され55人の参加があった。新聞を見て来られた方も半数くらいだ。 自分の難聴に関わる問題が人工内耳が解決するかもしれないと参加された方が多いようだ。これらの方々の多く…

京都にてバスとタクシー

秋の京都は三連休で大混雑していた。 会議の場所の行き方を忘れてしまい、バスセンターで京都市聴覚言語センターというとさすがに歴史のあるセンターだけあって、カウンターの女性がうなづいてここですねと地図を指して、○○番のバスに乗って下さいという 前…

新議員と障害者自立支援法

総選挙後の新しい国会が始まった。 それぞれに政策を訴えて民意を得たのだろうが、障害者自立支援法は人の命がかかっている法案だ。炎暑の国会を取り囲んだ障害者の願いは、周りに合わせてなどで安易に決めてもらっては困る。 女刺客や小泉チルドレンなどの…

中途失聴・難聴者のコミュニケーション(2)

この整理は、障害を階層性で、理解しようとしたのだが、これは1980年に国際保健機構WHOが発表した国際障害分類(ICIDH)だ。つまり、障害は「機能障害(インペアメント)」→「能力障害(ディスアビリティ)」→社会参加の不利(ハンディキャップ)」の3次元…

中途失聴・難聴者のコミュニケーション

中途失聴・難聴者のコミュニケーションをどのように理解するか。 いろいろのアプローチがあるが、客観的に理解しようとした。 昨日の講義では、聞こえないことが社会の中で理解されにくい理由を挙げてもらうことで、聞こえないことが障害であるということは…

サーファー通り(2)

帰省して、母親とバス停一つ離れた近くの小さな定食屋に行った。グランマという名前なので家庭料理が売りのようだ。 独り暮らしの母親はあまり料理を作らなくなったので定食ならいろいろ食べられる。 実際、高齢の夫婦の方もいたのでニーズはあるのだろう。…

視覚・聴覚に障害を持つ人の放送バリアフリーシンポジウム

視覚障害者と聴覚障害者の放送バリアフリーシンポジウムが開催される。 視覚障害者と聴覚障害者が一緒に放送問題に取り組むのは久しぶりのことである。1990年代、専用放送局を作るためにそれぞれ活動を模索していた時期があった。 聴覚障害者専用放送局は、…

テレビでインターネット

久しぶりに行ったテレビ売り場は液晶とプラズマテレビ一色だった。 相変わらず聞えのバリアーに関する説明は何も出てないが、テレビでインターネットの言葉が目に付いた。これは二つの理由で要注意だ。放送と通信の融合は放送局のコンテンツのブロードバンド…

職場の配慮

職場の会議はいくつかの補聴支援システムを使っているが、普段はみなジェスチャーや口パクで対応してくれている。今の部長はノートを使ってまで筆談をしてくれる。 話が早口で分からず、えっと聞き返すと余計大きな声でまるで怒られているみたいにしゃべって…

要約筆記の通訳である意味

要約筆記も要約筆記事業もいま大きな曲がり角にある。要約筆記は聴覚障害者の情報保障のひとつであり、コミュニケーションの対人支援のひとつである。さらに文字による通訳である。 コミュニケーション支援、情報保障には、当事者が用いる補聴器や補聴援助シ…

指向性マイクと映画館

電車で5分の隣駅に、シネマコンプレックスがある。 始まって30分過ぎていたが夜8時半に冒険スペクタル映画の部屋に入った。最近の映画館はドルビーシステムより進んだ音響システムがあり、幾つかは補聴援助システムが付いているところも多い。 最初はデジタ…

小型補聴支援システム

小型の補聴支援システムの携帯型磁気ループを使用してみた。10人くらいの集まりがあり、難聴者が3人。電源は100Vだが、ハガキ大の大きさの磁気ループ用のアンプに外部出力端子の他に磁気ループ用出力端子、外部入力の他にマイク入力が二つもついている。ワ…

NHKの選挙報道はおかしい!

NHKは定時ニュースで選挙報道をしている。 しかし各党首の演説になると字幕が出ない。出ないのではなく、明らかに出すのをやめている。選挙報道の後は普通に字幕が出るし、毎日、同じことが続いているからだ。多くの難聴者、聴覚障害者が見ていることを知っ…